花火から逃げて

歌手: 澤田空海理 • 专辑:真水 • 发布时间:2017-12-29
嗚呼、手を繋いで花火を横に持った。
 繋いだ、握り込んだ、右の左手は湿った。
 八月の夜みたいに。
 手持ち花火みたいに。
 行方知らずの打ち上げ花火が
私みたいだ、と笑った。
 夜を舞った花びら、一つ。
 今日を待った言葉を一つ。
 花火から遠ざかろう。慣れない下駄で走ろう。
せめて一言、伝わるように。
 「じゃあ」手を放した。夏の匂いが去った。
 二人は帰路に就いた。逆側の駅を目指した。
 今、その袖を掴んで逃げ出してしまおうか。
 反対方向、走り出す。あなたの背を追う。
 不意に柳が映った。
 夜を舞った花びら、一つ。
 今日を待った言葉を一つ。
 「どうせなら一緒に居よう。朝まで一緒に居よう。」
 祭りが終わっていく。
 私たちは逃げていく。花火から、この夜から。
この、歯がゆい関係から。
 背後で最後が鳴った。明くる空と音で分かった。
 今は、振り向かないように。
 指を絡めて、逃げた。
 夜を舞った花びら、一つ。
 今日を待った言葉を一つ。
 花火から遠ざかろう。慣れない下駄で走ろう。
せめて一言。
 行く宛てのない夜を走る。
 掴まらないようにと走る。
 何も意味がなくても、あまりに儚くても。
それは私の生きる糧になった。
「真水 / Mamizu」より, 2017年12月29日リリース
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