嗚呼、手を繋いで花火を横に持った。
繋いだ、握り込んだ、右の左手は湿った。
八月の夜みたいに。
手持ち花火みたいに。
行方知らずの打ち上げ花火が
私みたいだ、と笑った。
夜を舞った花びら、一つ。
今日を待った言葉を一つ。
花火から遠ざかろう。慣れない下駄で走ろう。
せめて一言、伝わるように。
「じゃあ」手を放した。夏の匂いが去った。
二人は帰路に就いた。逆側の駅を目指した。
今、その袖を掴んで逃げ出してしまおうか。
反対方向、走り出す。あなたの背を追う。
不意に柳が映った。
夜を舞った花びら、一つ。
今日を待った言葉を一つ。
「どうせなら一緒に居よう。朝まで一緒に居よう。」
祭りが終わっていく。
私たちは逃げていく。花火から、この夜から。
この、歯がゆい関係から。
背後で最後が鳴った。明くる空と音で分かった。
今は、振り向かないように。
指を絡めて、逃げた。
夜を舞った花びら、一つ。
今日を待った言葉を一つ。
花火から遠ざかろう。慣れない下駄で走ろう。
せめて一言。
行く宛てのない夜を走る。
掴まらないようにと走る。
何も意味がなくても、あまりに儚くても。
それは私の生きる糧になった。
「真水 / Mamizu」より, 2017年12月29日リリース
[00:20.91]嗚呼、手を繋いで花火を横に持った。
[00:23.87] 繋いだ、握り込んだ、右の左手は湿った。
[00:27.50] 八月の夜みたいに。
[00:34.08] 手持ち花火みたいに。
[00:39.49] 行方知らずの打ち上げ花火が
[00:44.29]私みたいだ、と笑った。
[00:48.60] 夜を舞った花びら、一つ。
[00:52.29] 今日を待った言葉を一つ。
[00:56.72] 花火から遠ざかろう。慣れない下駄で走ろう。
[01:02.12]せめて一言、伝わるように。
[01:21.28] 「じゃあ」手を放した。夏の匂いが去った。
[01:24.64] 二人は帰路に就いた。逆側の駅を目指した。
[01:27.96] 今、その袖を掴んで逃げ出してしまおうか。
[01:40.02] 反対方向、走り出す。あなたの背を追う。
[01:44.75] 不意に柳が映った。
[01:48.93] 夜を舞った花びら、一つ。
[01:53.60] 今日を待った言葉を一つ。
[01:58.52] 「どうせなら一緒に居よう。朝まで一緒に居よう。」
[02:03.37] 祭りが終わっていく。
[02:07.31] 私たちは逃げていく。花火から、この夜から。
[02:13.15]この、歯がゆい関係から。
[02:16.40] 背後で最後が鳴った。明くる空と音で分かった。
[02:20.21] 今は、振り向かないように。
[02:23.53] 指を絡めて、逃げた。
[02:28.63] 夜を舞った花びら、一つ。
[02:32.74] 今日を待った言葉を一つ。
[02:37.30] 花火から遠ざかろう。慣れない下駄で走ろう。
[02:42.60]せめて一言。
[02:44.91] 行く宛てのない夜を走る。
[02:49.15] 掴まらないようにと走る。
[02:54.14] 何も意味がなくても、あまりに儚くても。
[02:59.45]それは私の生きる糧になった。
[03:24.04]「真水 / Mamizu」より, 2017年12月29日リリース
啊啊、手挽着手将花火持于身侧。
牵起又攥紧、走在右侧的我左手已然濡湿。
如同八月的夜晚一般。
如同手中持着的花火那样。
那升空后不知去向的花火
就像我一样啊、如此自嘲道。
一片、飘舞于夜空的花瓣。
一句一直在翘盼今日的话语。
渐渐走离那片花火吧。穿着不太习惯的木屐跑起来吧。
但愿至少能够、传达出这只言片语。
「再见」说着松开了手。夏日的气息悄然逝去。
两人踏上了归途。向异侧的车站走去。
如今、拽紧那衣袖一起逃出去吧。
朝着相反方向、跑了起来。追逐着你的背影。
无意间柳影成映。
一片、飘舞于夜空的花瓣。
一句一直在翘盼今日的话语。
「既然如此那就待在一起吧。待在一起直到早晨来临吧。」
祭典将要结束。
我们一起出逃。逃离花火、逃离这夜晚。
逃离这份、不温不火的关系。
最后的花火从背后响起。由亮如白昼的天空与声音分辨出来。
但现在、不再回过头去。
十指紧扣着、逃去了。
一片、飘舞于夜空的花瓣。
一句一直在翘盼今日的话语。
渐渐走离那片花火吧。穿着不太习惯的木屐跑起来吧。
至少将这只言片语。
于漫无目的的夜晚奔跑着。
像是无从捕捉似地奔跑着。
就算一切毫无意义、就算这些过分虚幻。
也足以成为我活下去的动力。
翻译:歌音咲
[by:花葉縹]
[00:20.91]啊啊、手挽着手将花火持于身侧。
[00:23.87]牵起又攥紧、走在右侧的我左手已然濡湿。
[00:27.50]如同八月的夜晚一般。
[00:34.08]如同手中持着的花火那样。
[00:39.49]那升空后不知去向的花火
[00:44.29]就像我一样啊、如此自嘲道。
[00:48.60]一片、飘舞于夜空的花瓣。
[00:52.29]一句一直在翘盼今日的话语。
[00:56.72]渐渐走离那片花火吧。穿着不太习惯的木屐跑起来吧。
[01:02.12]但愿至少能够、传达出这只言片语。
[01:21.28]「再见」说着松开了手。夏日的气息悄然逝去。
[01:24.64]两人踏上了归途。向异侧的车站走去。
[01:27.96]如今、拽紧那衣袖一起逃出去吧。
[01:40.02]朝着相反方向、跑了起来。追逐着你的背影。
[01:44.75]无意间柳影成映。
[01:48.93]一片、飘舞于夜空的花瓣。
[01:53.60]一句一直在翘盼今日的话语。
[01:58.52]「既然如此那就待在一起吧。待在一起直到早晨来临吧。」
[02:03.37]祭典将要结束。
[02:07.31]我们一起出逃。逃离花火、逃离这夜晚。
[02:13.15]逃离这份、不温不火的关系。
[02:16.40]最后的花火从背后响起。由亮如白昼的天空与声音分辨出来。
[02:20.21]但现在、不再回过头去。
[02:23.53]十指紧扣着、逃去了。
[02:28.63]一片、飘舞于夜空的花瓣。
[02:32.74]一句一直在翘盼今日的话语。
[02:37.30]渐渐走离那片花火吧。穿着不太习惯的木屐跑起来吧。
[02:42.60]至少将这只言片语。
[02:44.91]于漫无目的的夜晚奔跑着。
[02:49.15]像是无从捕捉似地奔跑着。
[02:54.14]就算一切毫无意义、就算这些过分虚幻。
[02:59.45]也足以成为我活下去的动力。
[03:24.04]翻译:歌音咲