禰豆子は、禰豆子は違うんだ
人を食ったりしない
昔同じようなことを言って鬼に食われたやつがいた
そう、あれは俺がまだ鬼殺隊に入隊したての頃だ
鬼滅の刃 忘れじの一刀
鎹(かすがい)ガラスの伝令を受けて
俺は西の港町へ赴いた
触手喰りゃあー
無駄だ
全部打ち崩しやがって
待って
俺は鬼を、港に追い詰めた
どうする、後ろは荒れた海だ、もう逃げられないぞ
鬼狩りめがぁ
やつの体から縦横無尽に飛んでくる触手は厄介だが
懐に飛びこんでしまえば
なに、後ろに飛んだ?
ちっ、砂辺に泊めてある船に飛び移るとは
船で逃げる気か
逃しはしない
ったく、しつこい野郎だな
激しい揺れに足を取られてしまう
なんだこの音
高波?!
凄まじい波の直撃により船が転覆
俺は暗い海へと放り出された
どこだ、鬼はどこだ?
波に飲み込まれて沈んだ俺は
そのまま意識を失った
目覚めると俺はどこかの浜辺に打ち上げられていた
ここはどこだ、俺はどうして
船が転覆し、海に投げ出され
鬼!
鬼はどうなった、海の藻屑と消えたのか
それとも
けたたましくなる半鐘
松林の向こうに、集落があるようだ
火事か
松林を抜けると村があった
村のどこからも火の手が上がっていないが
村の男達が血相を変えて走っていく姿が見えた
向かっている先が裏山か
山で何かがあった
俺はそう直感した
村人達の跡を追って裏山を登ってみると
すぐの寺の境内に人中にできていた
ひでー、ひどすぎる
なんで和尚さんたちが
おい見ろよ和尚さんの腕が肩からなくなってるぞ
あっちの若いお坊さん、頭が半分ねえ
もう一人は腸が&%$*#だ(知るか)
本堂近くに、和尚と二人の若い修行僧の見るも無残な死体が転がっていた
駐在は検証を行っている
人間じゃねえ
こんなひでーマネができるのは人間じゃねえよ
確かにこりゃ人の仕業じゃねえな
獣に食われたんだ
駐在さん、獣って
骨まで噛み砕かれてるところを見るとおそらく熊だな
熊の仕業だろ
ああそうだ、駐在さんの言う通りだ
あんな噛み傷、熊しか考えられねえ
人食い熊が出たんだ
違う、あの喰らい方は、熊の仕業ではない
鬼だ、鬼に食われたんだ
とすれば、あの鬼も昨夜のうちにここへ流れ着き
そして、和尚たちを襲った
ごめん、ちょっとどいてくれ、駐在さん
人垣を掻き分け、一人の少年が駐在に駆け寄っていった
俺よりも二三歳は年下のように見える
山に人食い熊がいるって言うんなら、一刻も早く弟を見つけないと
それなんだがな晴夫、捜索は中止だ
中止?今日もみんなで探してくれるって約束だろう
状況が変わったんだ
人食い熊が出没するような山に人は入れられない
そんな、じゃ弟はどうするんだよ
それでもあんた駐在かよ
とにかく捜索は中止だ
雅さん、雅さんは一緒に探してくれるよな
晴夫、ここは駐在さんの言うことを聞いたほうがいい
留さん
悪いな、俺にも家族がいるからよ
康さん
諦めろ晴夫、今日で三日目だ
弟はすでに食われてるかもしれない
そんなことあるか
弟はどこかで生きている、絶対に生きている
俺の助けを待ってるに違いないんだ
晴夫
もういい、あんたらになんて頼まねえ
退けよ
山に入るなよ、晴夫、いいな
みんなも聞いた通りだ、暫くの間、山へは立入禁止だ
寺の境内を飛び出した少年を目で追うと
村へ戻る道には降りず、逆に山道を上がっていた
先程の様子からして、一人で弟を探しに行ったに違いない
全く、この山のどこかにあの鬼が隠れている以上
晴夫という少年をこのまま放っておく訳にはいかない
ゆう、ゆう、どこだ、ゆう
兄ちゃんだぞ、いたら返事してくれ、ゆう
ゆう、ゆう
どこなんだよゆう
あれ、洞穴か
やっぱり洞穴だ、こんなとこにもあったんだ、ゆう
入るな
誰、あんた
むやみに中に入るな
鬼は日光に弱い、日が刺す間隠れているとすればこういう場所だ
鬼?
下がってろ、ここで動くなよ
洞穴の中はそう深くなく、すぐに行き止まりになっている
鬼の姿はなかった
なあ、中に七歳ぐらいの男の子がいないか
誰もいない
あんた、見慣れない顔だな
もう気が済んだろ、いいからすぐ山を降りるんだ
村に帰れと言ってる
帰る訳ないだろ、俺は弟を探すんだ
山からでなければ、お前も和尚たちのように熊に食われるぞ
人食い熊なんて怖いもんか
俺は山でいなくなった弟を探してるんだ
弟が見つかるまで絶対に山を降りねえ
俺を見つめる力強い眼差し
彼の決意は硬いようだ
めんどうなやつだ
どこへ行くんだよ
探すんだろ、弟を
俺と一緒に探してくれるのか
で、どこを探す気だ
昨日、駐在さんと村のみんなで東の方を探して回ったから
なるほど、だから西の方にやってきたというわけか
ありがとう
お前も食われたら寝覚めが悪い
だが忠告しておく
さっきのような洞穴を見つけても勝手に一人で入るな
まず俺に知らせろ、いいな
うん、分かった
ゆう、どこだ、兄ちゃんだぞ、ゆう
どうした
あそこ、茂みに落ちてるあれ
ゆうが着ていた羽織だ
間違いねえ、ゆうの羽織だ
いたんだよゆうがここに、まだ近くにいるかもしれない
ゆう、いるのか
待って晴夫、茂みの中は俺が当たる、お前は弟に呼び掛け続けろ
ゆう、兄ちゃんがきたからもう心配ないぞ
ゆう、いたら返事してくれ、ゆう、ゆう、どこだ、ゆう
それから俺達は、日が暮れるまで、森の中を探し回った
だが結局、弟は見つからなかった
見つかる期待が大きかった分、落胆もまた大きい
晴夫は弟の羽織を抱きしめたまま、うずくまってしまった
ゆう、どこへ行っちまったんだよ、ゆう
俺を一人ぼっちにするんなよ、ゆう
人前で涙を見せるな
父ちゃんも母ちゃんも早くに死んじまって、たった二人だけの家族なんだ
二人で生きてきたんだ、俺はゆうがいてくれたから頑張って来れたんだ
弟はお前にとっての生きる証か
あ、ゆうは母ちゃんに似てとても優しい子で
俺が漁に出ている間、漁師仲間の女将さんたちと一緒におにぎりを作って待っててくれるんだ
それに、父ちゃんに似て賢いんだぜ
漁網を繕うのだって、魚をさばくのだって、俺がちょっと教えただけですぐに覚えちゃうんだ
賢いか、晴夫、もし山で何かしらの災難に会ったとしたら、お前ならどうする
どうって分かんねよ
賢い子なら助けが来るまで飲水の確保くらい考えるだろう
水なら向こう、この森を抜けた先に谷川がある
よし、行ってみよ
辺りはもう完全に黒に染まり
月明かりが川を照らしている
ゆう、ゆう、あそこに洞穴が
岩の斜面に、人が充分に入れる大きさの横穴があった
忠告を忘れたか
勝手に入ろうとしてごめん、中を調べるのか
あ、先に俺が入る
洞穴に入って何歩進んだのだろ
その時
血生臭い匂いが俺の鼻をついた
どう、ゆうは居そうか
人の気配はないが
熊がいるのか
熊ではない
熊じゃない、じゃ一体中に何がいるんだよ
おそらく鬼だ
鬼だって?
鬼はいる、巧妙に身を隠し、そしてなんの躊躇いもなく人を食う、あの和尚たちのようにな
そんな鬼どもを狩るのが俺の役目だ
まさか鬼なんて
いいか、そこを動くなよ
洞穴を一歩、また一歩と進めていくことに、血生臭さも増していく
すると、奥の暗闇に不気味に光るものが二つ見えた
目だ
晴夫、すぐここから離れろ
離れるんだ
うん
鬼狩り、いいもん手土産に持って来てくれたじゃねえかよ
俺はよ、ガキが大好物なんだ、やっぱりよガキがうめえよな
肉は柔らかくてみずみずしいし、血は本当に甘いし、一度食べたらやめられねえぜ
貴様
人を食らって力が増したな
下がれ、晴夫!
ゆうだ!ゆうがいた!
なに!
間違いない、ゆうだよ、ゆうが今森の中に入っていたんだ
ゆう、兄ちゃんだ!
晴夫、行くな、俺のそばから離れるな
ゆう!
晴夫!
俺が鬼から目を離した、その一瞬の隙をつかれ
余所見てはまずいよな、鬼狩りさんよ
不覚にも足をやられたか
太腿から血が滴ってるぜ、痛えか
鬼狩り、おめえを始末したら、ゆっくり味わってやるぜ、あのガキをよ
骨の髄までしゃぶり尽くしてやる
= 全集中·水の呼吸 =
飛んでくる触手を切れ落としながら、やつとの距離を縮める
くたばりやがれ、鬼狩りめが!
来た
三の型、流々舞!
なんで、そんな様子で動けるんだよ
壱の型、水面斬り
晴夫、晴夫
晴夫、どこだ、どこにいる、晴夫、晴夫
何か言いようのない嫌な予感が俺を動かしていた
晴夫
ここだよ
茂みの向こう、岩場の上から晴夫の声がした
あんなところに
晴夫
やっぱり弟だったよ、弟がいたんだ、ゆうが見つかったんだ
ほら、ゆうだよ
晴夫がゆうと呼ぶ男の子に寄り添っている
だが月明かりに照らし出されたその子の顔は
晴夫、そいつから離れろ
何言ってんだよ、ずっと探してた俺の弟なんだ、ゆうなんだ
晴夫、そいつの顔をよく見ろ、それがお前の弟の顔か
怪しく光るその目、口から見える牙
そいつはもはやお前の弟ではない、鬼だ
バカ言うな、弟だ、俺が言うんだ間違いねえ
ゆう、兄ちゃんだ、分かるだろ
晴夫、そいつは鬼だ
鬼だろうと何だろうと構わねえ
俺は、俺は弟を助けるんだ
晴夫、諦めろ、弟はもう人間には戻らない
そこで待ってろ、俺が今行く
弟を切る気か、来るな
親であろうと兄弟であろうと容赦なく食らう、それが鬼だ
そばにいたら、お前も食われる
ゆうはそんなことしない、話したろう、ゆうはとても優しい子なんだ
晴夫、そこを退け
いやだ
晴夫!
俺にとってゆうはたった一人の弟なんだ、家族なんだ
なぁ、頼むよ、ゆうを見逃してくれよ、お願いだ
晴夫、それはできない
ゆうは違う、俺を食ったりしない、人を食ったりしない
兄ちゃん
ゆう、分かるか、俺だ、兄ちゃんだ
晴夫
兄ちゃん
そうだよゆう、ほら、ゆうだよ、鬼なんかじゃない
晴夫、離れろ
なぁ、兄ちゃんと一緒に家に帰ろう
また兄ちゃんにおにぎり握ってくれよ、ゆう
晴夫!
分かっているのか、お前が今食らったのは兄なんだぞ
壱の型、水面斬り
しっかりしろ、晴夫
ゆう、ゆうは?
安心しろ、俺が助けた
ありがとう
ゆう
晴夫
飢餓状態になっている鬼は親でも兄弟でも殺して食べる
栄養価が高いからだ
今までそういう場面も山程見てきた
この娘は怪我を負わされており
それを治すために力を消費している
鬼に変わる時もかなり体力を消費するはずだから
間違いなく今は重度の飢餓状態
一刻も早く人の血肉を喰らいたかっただろうに
守る動作、俺に対する威嚇
こいつらは何か違うのかもしれない
起きたか
狭霧山の麓に住んでいる鱗滝左近次という老人を訪ねろ
冨岡義勇に言われてきたと言え
終わり
[00:01.85]禰豆子は、禰豆子は違うんだ
[00:07.98]人を食ったりしない
[00:12.69]昔同じようなことを言って鬼に食われたやつがいた
[00:18.97]そう、あれは俺がまだ鬼殺隊に入隊したての頃だ
[00:25.59]
[00:28.03]鬼滅の刃 忘れじの一刀
[00:31.94]
[00:34.09]鎹(かすがい)ガラスの伝令を受けて
[00:37.89]俺は西の港町へ赴いた
[00:45.24]触手喰りゃあー
[00:49.44]無駄だ
[00:51.83]全部打ち崩しやがって
[00:55.92]待って
[01:06.08]俺は鬼を、港に追い詰めた
[01:09.95]どうする、後ろは荒れた海だ、もう逃げられないぞ
[01:16.32]鬼狩りめがぁ
[01:20.62]やつの体から縦横無尽に飛んでくる触手は厄介だが
[01:25.55]懐に飛びこんでしまえば
[01:32.43]なに、後ろに飛んだ?
[01:37.31]ちっ、砂辺に泊めてある船に飛び移るとは
[01:43.94]船で逃げる気か
[01:46.08]逃しはしない
[01:52.65]ったく、しつこい野郎だな
[02:00.62]激しい揺れに足を取られてしまう
[02:05.90]なんだこの音
[02:09.77]高波?!
[02:15.50]凄まじい波の直撃により船が転覆
[02:19.82]俺は暗い海へと放り出された
[02:28.55]どこだ、鬼はどこだ?
[02:36.80]波に飲み込まれて沈んだ俺は
[02:39.53]そのまま意識を失った
[02:42.63]
[02:50.59]目覚めると俺はどこかの浜辺に打ち上げられていた
[03:03.55]ここはどこだ、俺はどうして
[03:08.55]船が転覆し、海に投げ出され
[03:12.81]鬼!
[03:17.54]鬼はどうなった、海の藻屑と消えたのか
[03:21.71]それとも
[03:26.67]けたたましくなる半鐘
[03:28.98]松林の向こうに、集落があるようだ
[03:33.96]火事か
[03:41.59]松林を抜けると村があった
[03:45.57]村のどこからも火の手が上がっていないが
[03:49.14]村の男達が血相を変えて走っていく姿が見えた
[03:54.24]向かっている先が裏山か
[03:59.91]山で何かがあった
[04:02.32]俺はそう直感した
[04:11.37]村人達の跡を追って裏山を登ってみると
[04:15.21]すぐの寺の境内に人中にできていた
[04:22.74]ひでー、ひどすぎる
[04:25.70]なんで和尚さんたちが
[04:28.34]おい見ろよ和尚さんの腕が肩からなくなってるぞ
[04:33.80]あっちの若いお坊さん、頭が半分ねえ
[04:36.95]もう一人は腸が&%$*#だ(知るか)
[04:41.57]本堂近くに、和尚と二人の若い修行僧の見るも無残な死体が転がっていた
[04:49.77]駐在は検証を行っている
[04:52.47]人間じゃねえ
[04:54.05]こんなひでーマネができるのは人間じゃねえよ
[04:58.24]確かにこりゃ人の仕業じゃねえな
[05:01.24]獣に食われたんだ
[05:03.28]駐在さん、獣って
[05:05.71]骨まで噛み砕かれてるところを見るとおそらく熊だな
[05:10.05]熊の仕業だろ
[05:11.84]ああそうだ、駐在さんの言う通りだ
[05:15.08]あんな噛み傷、熊しか考えられねえ
[05:18.85]人食い熊が出たんだ
[05:21.54]違う、あの喰らい方は、熊の仕業ではない
[05:26.97]鬼だ、鬼に食われたんだ
[05:31.45]とすれば、あの鬼も昨夜のうちにここへ流れ着き
[05:36.27]そして、和尚たちを襲った
[05:40.55]ごめん、ちょっとどいてくれ、駐在さん
[05:45.64]人垣を掻き分け、一人の少年が駐在に駆け寄っていった
[05:51.66]俺よりも二三歳は年下のように見える
[05:55.91]山に人食い熊がいるって言うんなら、一刻も早く弟を見つけないと
[06:00.59]それなんだがな晴夫、捜索は中止だ
[06:04.41]中止?今日もみんなで探してくれるって約束だろう
[06:08.92]状況が変わったんだ
[06:11.12]人食い熊が出没するような山に人は入れられない
[06:15.01]そんな、じゃ弟はどうするんだよ
[06:19.02]それでもあんた駐在かよ
[06:23.57]とにかく捜索は中止だ
[06:27.54]雅さん、雅さんは一緒に探してくれるよな
[06:31.37]晴夫、ここは駐在さんの言うことを聞いたほうがいい
[06:36.83]留さん
[06:38.68]悪いな、俺にも家族がいるからよ
[06:43.07]康さん
[06:45.09]諦めろ晴夫、今日で三日目だ
[06:48.75]弟はすでに食われてるかもしれない
[06:53.06]そんなことあるか
[06:55.01]弟はどこかで生きている、絶対に生きている
[06:59.11]俺の助けを待ってるに違いないんだ
[07:01.89]晴夫
[07:03.50]もういい、あんたらになんて頼まねえ
[07:07.22]退けよ
[07:13.08]山に入るなよ、晴夫、いいな
[07:15.63]みんなも聞いた通りだ、暫くの間、山へは立入禁止だ
[07:21.28]
[07:23.53]寺の境内を飛び出した少年を目で追うと
[07:27.10]村へ戻る道には降りず、逆に山道を上がっていた
[07:33.38]先程の様子からして、一人で弟を探しに行ったに違いない
[07:39.80]全く、この山のどこかにあの鬼が隠れている以上
[07:47.22]晴夫という少年をこのまま放っておく訳にはいかない
[07:56.01]ゆう、ゆう、どこだ、ゆう
[08:02.42]兄ちゃんだぞ、いたら返事してくれ、ゆう
[08:09.34]ゆう、ゆう
[08:16.08]どこなんだよゆう
[08:23.48]あれ、洞穴か
[08:30.69]やっぱり洞穴だ、こんなとこにもあったんだ、ゆう
[08:36.06]入るな
[08:37.30]誰、あんた
[08:41.05]むやみに中に入るな
[08:44.56]鬼は日光に弱い、日が刺す間隠れているとすればこういう場所だ
[08:53.64]鬼?
[08:55.08]下がってろ、ここで動くなよ
[09:02.14]洞穴の中はそう深くなく、すぐに行き止まりになっている
[09:07.76]鬼の姿はなかった
[09:10.28]なあ、中に七歳ぐらいの男の子がいないか
[09:14.28]誰もいない
[09:19.66]あんた、見慣れない顔だな
[09:22.70]もう気が済んだろ、いいからすぐ山を降りるんだ
[09:27.25]村に帰れと言ってる
[09:30.67]帰る訳ないだろ、俺は弟を探すんだ
[09:34.52]山からでなければ、お前も和尚たちのように熊に食われるぞ
[09:42.46]人食い熊なんて怖いもんか
[09:44.74]俺は山でいなくなった弟を探してるんだ
[09:47.95]弟が見つかるまで絶対に山を降りねえ
[09:52.06]俺を見つめる力強い眼差し
[09:55.05]彼の決意は硬いようだ
[09:59.06]めんどうなやつだ
[10:02.35]どこへ行くんだよ
[10:05.69]探すんだろ、弟を
[10:07.72]俺と一緒に探してくれるのか
[10:10.11]で、どこを探す気だ
[10:13.76]昨日、駐在さんと村のみんなで東の方を探して回ったから
[10:17.82]なるほど、だから西の方にやってきたというわけか
[10:23.72]ありがとう
[10:27.43]お前も食われたら寝覚めが悪い
[10:31.82]だが忠告しておく
[10:33.83]さっきのような洞穴を見つけても勝手に一人で入るな
[10:39.08]まず俺に知らせろ、いいな
[10:44.26]うん、分かった
[10:47.14]
[10:50.96]ゆう、どこだ、兄ちゃんだぞ、ゆう
[10:59.91]どうした
[11:01.01]あそこ、茂みに落ちてるあれ
[11:04.27]ゆうが着ていた羽織だ
[11:10.90]間違いねえ、ゆうの羽織だ
[11:14.21]いたんだよゆうがここに、まだ近くにいるかもしれない
[11:19.64]ゆう、いるのか
[11:22.88]待って晴夫、茂みの中は俺が当たる、お前は弟に呼び掛け続けろ
[11:30.34]ゆう、兄ちゃんがきたからもう心配ないぞ
[11:36.40]ゆう、いたら返事してくれ、ゆう、ゆう、どこだ、ゆう
[11:51.23]それから俺達は、日が暮れるまで、森の中を探し回った
[11:57.32]だが結局、弟は見つからなかった
[12:05.39]見つかる期待が大きかった分、落胆もまた大きい
[12:11.01]晴夫は弟の羽織を抱きしめたまま、うずくまってしまった
[12:17.95]ゆう、どこへ行っちまったんだよ、ゆう
[12:24.72]俺を一人ぼっちにするんなよ、ゆう
[12:30.13]人前で涙を見せるな
[12:38.63]父ちゃんも母ちゃんも早くに死んじまって、たった二人だけの家族なんだ
[12:47.42]二人で生きてきたんだ、俺はゆうがいてくれたから頑張って来れたんだ
[12:55.10]弟はお前にとっての生きる証か
[13:00.80]あ、ゆうは母ちゃんに似てとても優しい子で
[13:08.01]俺が漁に出ている間、漁師仲間の女将さんたちと一緒におにぎりを作って待っててくれるんだ
[13:15.38]それに、父ちゃんに似て賢いんだぜ
[13:18.88]漁網を繕うのだって、魚をさばくのだって、俺がちょっと教えただけですぐに覚えちゃうんだ
[13:26.33]賢いか、晴夫、もし山で何かしらの災難に会ったとしたら、お前ならどうする
[13:36.02]どうって分かんねよ
[13:40.28]賢い子なら助けが来るまで飲水の確保くらい考えるだろう
[13:48.11]水なら向こう、この森を抜けた先に谷川がある
[13:53.26]よし、行ってみよ
[14:00.73]
[14:01.30]辺りはもう完全に黒に染まり
[14:04.16]月明かりが川を照らしている
[14:08.38]ゆう、ゆう、あそこに洞穴が
[14:17.20]岩の斜面に、人が充分に入れる大きさの横穴があった
[14:24.02]忠告を忘れたか
[14:27.13]勝手に入ろうとしてごめん、中を調べるのか
[14:32.69]あ、先に俺が入る
[14:43.15]洞穴に入って何歩進んだのだろ
[14:46.67]その時
[14:50.31]血生臭い匂いが俺の鼻をついた
[14:55.44]どう、ゆうは居そうか
[14:57.99]人の気配はないが
[15:00.27]熊がいるのか
[15:01.58]熊ではない
[15:02.76]熊じゃない、じゃ一体中に何がいるんだよ
[15:06.92]おそらく鬼だ
[15:10.11]鬼だって?
[15:12.08]鬼はいる、巧妙に身を隠し、そしてなんの躊躇いもなく人を食う、あの和尚たちのようにな
[15:20.98]そんな鬼どもを狩るのが俺の役目だ
[15:25.31]まさか鬼なんて
[15:28.13]いいか、そこを動くなよ
[15:33.10]洞穴を一歩、また一歩と進めていくことに、血生臭さも増していく
[15:40.20]すると、奥の暗闇に不気味に光るものが二つ見えた
[15:46.77]目だ
[15:48.25]晴夫、すぐここから離れろ
[15:57.90]離れるんだ
[15:58.99]うん
[16:06.46]鬼狩り、いいもん手土産に持って来てくれたじゃねえかよ
[16:17.22]俺はよ、ガキが大好物なんだ、やっぱりよガキがうめえよな
[16:26.43]肉は柔らかくてみずみずしいし、血は本当に甘いし、一度食べたらやめられねえぜ
[16:37.21]貴様
[16:44.60]人を食らって力が増したな
[16:53.64]下がれ、晴夫!
[16:55.30]ゆうだ!ゆうがいた!
[17:09.08]なに!
[17:10.22]間違いない、ゆうだよ、ゆうが今森の中に入っていたんだ
[17:14.57]ゆう、兄ちゃんだ!
[17:18.32]晴夫、行くな、俺のそばから離れるな
[17:21.51]ゆう!
[17:22.50]晴夫!
[17:24.95]俺が鬼から目を離した、その一瞬の隙をつかれ
[17:33.53]余所見てはまずいよな、鬼狩りさんよ
[17:45.70]不覚にも足をやられたか
[17:49.50]太腿から血が滴ってるぜ、痛えか
[17:57.15]鬼狩り、おめえを始末したら、ゆっくり味わってやるぜ、あのガキをよ
[18:05.69]骨の髄までしゃぶり尽くしてやる
[18:10.15]= 全集中·水の呼吸 =
[18:15.45]飛んでくる触手を切れ落としながら、やつとの距離を縮める
[18:20.37]くたばりやがれ、鬼狩りめが!
[18:24.88]来た
[18:26.07]三の型、流々舞!
[18:39.29]なんで、そんな様子で動けるんだよ
[18:43.54]壱の型、水面斬り
[18:47.54]
[18:51.81]晴夫、晴夫
[18:59.81]晴夫、どこだ、どこにいる、晴夫、晴夫
[19:11.41]何か言いようのない嫌な予感が俺を動かしていた
[19:18.48]晴夫
[19:19.70]ここだよ
[19:21.67]茂みの向こう、岩場の上から晴夫の声がした
[19:26.54]あんなところに
[19:28.62]晴夫
[19:29.89]やっぱり弟だったよ、弟がいたんだ、ゆうが見つかったんだ
[19:36.34]ほら、ゆうだよ
[19:38.90]晴夫がゆうと呼ぶ男の子に寄り添っている
[19:43.07]だが月明かりに照らし出されたその子の顔は
[19:49.76]晴夫、そいつから離れろ
[19:52.77]何言ってんだよ、ずっと探してた俺の弟なんだ、ゆうなんだ
[19:58.89]晴夫、そいつの顔をよく見ろ、それがお前の弟の顔か
[20:05.58]怪しく光るその目、口から見える牙
[20:10.34]そいつはもはやお前の弟ではない、鬼だ
[20:15.29]バカ言うな、弟だ、俺が言うんだ間違いねえ
[20:24.82]ゆう、兄ちゃんだ、分かるだろ
[20:28.88]晴夫、そいつは鬼だ
[20:35.72]鬼だろうと何だろうと構わねえ
[20:38.07]俺は、俺は弟を助けるんだ
[20:41.43]晴夫、諦めろ、弟はもう人間には戻らない
[20:45.32]そこで待ってろ、俺が今行く
[20:48.58]弟を切る気か、来るな
[20:52.14]親であろうと兄弟であろうと容赦なく食らう、それが鬼だ
[20:56.02]そばにいたら、お前も食われる
[20:58.40]ゆうはそんなことしない、話したろう、ゆうはとても優しい子なんだ
[21:03.69]晴夫、そこを退け
[21:05.49]いやだ
[21:06.24]晴夫!
[21:07.00]俺にとってゆうはたった一人の弟なんだ、家族なんだ
[21:13.15]なぁ、頼むよ、ゆうを見逃してくれよ、お願いだ
[21:18.86]晴夫、それはできない
[21:23.90]ゆうは違う、俺を食ったりしない、人を食ったりしない
[21:33.82]兄ちゃん
[21:36.70]ゆう、分かるか、俺だ、兄ちゃんだ
[21:41.36]晴夫
[21:43.42]兄ちゃん
[21:45.69]そうだよゆう、ほら、ゆうだよ、鬼なんかじゃない
[21:51.61]晴夫、離れろ
[21:53.43]なぁ、兄ちゃんと一緒に家に帰ろう
[21:57.00]また兄ちゃんにおにぎり握ってくれよ、ゆう
[22:00.86]晴夫!
[22:11.50]分かっているのか、お前が今食らったのは兄なんだぞ
[22:21.12]壱の型、水面斬り
[22:30.95]しっかりしろ、晴夫
[22:35.46]ゆう、ゆうは?
[22:39.47]安心しろ、俺が助けた
[22:46.82]ありがとう
[22:50.18]ゆう
[22:51.80]晴夫
[22:57.28]
[23:02.82]飢餓状態になっている鬼は親でも兄弟でも殺して食べる
[23:07.53]栄養価が高いからだ
[23:10.71]今までそういう場面も山程見てきた
[23:14.96]この娘は怪我を負わされており
[23:17.78]それを治すために力を消費している
[23:21.34]鬼に変わる時もかなり体力を消費するはずだから
[23:25.47]間違いなく今は重度の飢餓状態
[23:29.24]一刻も早く人の血肉を喰らいたかっただろうに
[23:35.37]守る動作、俺に対する威嚇
[23:40.79]こいつらは何か違うのかもしれない
[23:50.39]
[23:59.74]起きたか
[24:03.98]狭霧山の麓に住んでいる鱗滝左近次という老人を訪ねろ
[24:10.49]冨岡義勇に言われてきたと言え
[24:14.31]終わり
[24:19.77]
祢豆子、祢豆子是不同的
她绝对不会吃人
曾经有人说过同样的话,最后葬身鬼腹
对,那还是我刚进鬼杀队时的事
鬼灭之刃 无法忘却的一刀
遵循鎹鸦的传令
我赶来了西边的一座海港城镇
吃我的触手吧!
徒劳
居然全都给打下来了
站住
我把鬼赶到了港口边上
怎样,身后就是咆哮着的大海,你已无路可逃
鬼杀队的混账!
从他体内飞来的纵横交错的无数触手相当棘手
但只要袭到他的身前……
什么,朝后跳下去了?
嗤,没想到还会钻进靠岸的船只里
想用船逃跑么
别以为能从我手上逃掉
这纠缠不休的家伙
船猛烈的晃动下,我一时站立不稳
什么声音?
是巨浪?!
滔天巨浪轰然一击,船猛地被掀翻了
我一下子被抛进了昏暗的海水里
哪儿?鬼去哪儿了?
被海浪吞没了的我
渐渐失去了意识
醒来时,我已被潮水冲上了不知哪儿的海边
这是哪?我是怎么……
船翻了,我被抛进了海……
鬼!
鬼怎么样了?已经葬身海底了么?
还是说……
一阵刺耳的警钟打断了思考
松林的另一边,似乎有村落
起火了么
穿过松林,是一座村子
里面没有起火的迹象
但能见到村人们脸色惨然,仓皇逃离
往后山去了么
山里似乎发生了什么
直觉如此告诉我
循着村人的行踪进了后山
到了一座寺庙,里面围满了人
惨,实在太惨了,
为啥和尚们会……
喂看啊,这和尚的手臂连着肩膀一同没了
那儿的小和尚半个脑袋都被啃掉了
还有一人肠子都被咬碎了
正堂前不远处,躺着和尚和两个年轻的修行僧惨不忍睹的尸体
警察在现场进行调查
不可能是人
干出这么残忍的事的绝不可能是人
确实这不是人能做出来的
他们是被野兽吃掉的吧
警察大哥,野兽指的是?
连骨头也给咬碎了,恐怕是熊
熊干的好事吧
啊说的没错,如警察先生所言
那样的咬伤,除了熊没别的了
这儿出现了食人熊
不对,那样的咬法,不是熊
是鬼,鬼吃了他们
这样看来,那只鬼昨晚也被冲到了这里
然后袭击了和尚
麻烦让一下,警察先生
一个少年穿过人墙,赶到了警察边上
看起来只比我小两三岁
山里出现了食人熊的话,得赶紧把弟弟找到才行
说起那个嘛晴夫,搜索行动已经中止了
中止?不是说好今天也一起去找的吗?
情况有变
藏着食人熊的山是不能让人进的
怎么这样,那我弟弟怎么办?
你算哪门子的警察?
总之搜索已经中止了
雅叔,雅叔会和我一同去找的吧
晴夫,这当口还是听警察先生的好
留叔
抱歉,我也有家人啊
康叔
放弃吧晴夫,已经找了两天了
你弟弟没准已经被熊吃了
你瞎说
弟弟他一定还在哪儿活着,他绝对还活着
他一定在等着我去救他
晴夫
够了,你们这些家伙根本指望不上
让开!
别进山里啊,晴夫,听到了吗
大家也都听见了,这一段时间,绝对不可进入山里
我目光追赶着飞奔出寺庙的少年
看出他没有下山回村,反而踏上了进山的路
无疑他是要一个人去寻找弟弟了
没办法,既然那鬼也藏在这山里
就不能对这叫晴夫的少年放任不管
优,优,你在哪,优
是哥哥啊,在就回答我啊,优
优,优
去了哪儿啊
诶,那是山洞吗
果然是山洞,这种地方也有吗,优
别进去
谁啊你是
别冒冒失失地进去
鬼怕日光,要避开太阳就得躲在这种地方
鬼
退下吧,不要动这儿
洞穴并不深,很快就到了尽头
没有鬼的踪迹
喂,里面有一个七岁大的小男孩吗
谁也没有
你的脸没见过啊
已经死心了吧,快给我下山去吧
我在叫你回村里去
怎么能回去,我还得找我弟弟
不出山,你也要和那些和尚一样被熊吃了
食人熊什么的有什么好怕的
我弟弟就是在这山里走丢的,我得去找他
找到之前绝不下山
那直视着我的坚定目光
表明了他强烈的决心
真是个麻烦的家伙
那你去哪儿
找弟弟啊
要和我一同去找吗
所以问你要去哪儿找
昨天和警察先生以及村里人搜遍了东部
嗯,所以他是去了西边吧
谢谢你
想到你被吃了我也于心不忍
但先忠告你一句
刚才那样的山洞,见着了可别一个人擅自进去
第一时间告诉我,明白么
嗯,明白
优,在哪儿,哥哥来了,优
怎么了
那儿,掉在树丛里的那个
是优穿过的大衣
没错,就是优穿过的
他来过这儿,说不定还没走远
优,在吗
等等,晴夫,树丛由我来搜,你负责喊就行
优,不要害怕,是哥哥来了
优,在就回答我,优,优,在哪啊,优
之后我们就这么,在森林里四处搜寻,直到夜幕降临
然而最后也没能找到他弟弟
希望越大,失望也就越大
终于,晴夫抱着弟弟的大衣蹲了下来
优,究竟去了哪儿啊,优
别把我孤零零地丢下不管啊,优
别在人前落泪
我们的父亲母亲都很早就去世了,我们二人相依为命
互相支撑着走到今天,我是为了他才咬着牙坚持过来的
弟弟对你而言就是存在的证明么
啊,优和母亲很像,非常温柔
我出去捕鱼,他就和渔夫们的家人一起,捏着饭团等我回来
而且他也和父亲一样聪明
不管是修补渔网、还是剖解鱼肉,都是一教就会
聪明么,晴夫,换作是你在山里遭遇了什么灾难,你会怎么做
什么怎么做,完全没头绪
既然是聪明的孩子,至少会在救援到来前先解决饮水问题吧
水的话对面,穿过这片森林就有一条河流
好,去看看吧
四下都已被黑暗吞没
只有河水上月华流动
优,优,那儿有一处洞穴
倾斜的岩坡上,有一个足够让一人进入的洞穴
忘了我的忠告么
差点就自个儿进去了,对不起,要调查一下里面吗
嗯,我先进去
进了洞穴,走了不知几步
忽然
鼻子嗅到了一阵血的腥臭味
怎么样,优在里面吗
没有人的气息在
那有熊吗
也不是熊
“不是”?那里面的到底是什么?
恐怕是鬼
鬼是啥
有鬼在,它巧妙地隐藏了行踪,然后毫无顾忌地四处吃人,就像吃那几个和尚一样
斩杀这样的恶鬼,正是我的使命
居然还有鬼
听好了,在那儿待着别动
一步一步深入洞里,血腥味也愈发浓烈
蓦地,黑暗深处,出现了两点诡异的光
是眼睛!
晴夫,赶快离开那儿
快走
嗯
哟鬼杀队,还给我带了不错的礼物啊
我啊,最喜欢小孩子了,吃来吃去还是小孩子最惹人馋啊
肉又软嫩可口,血又甘甜美味,吃过一次就停不下来了啊
你这家伙
吃了人,有力气了是吧
晴夫,退开!
优!优在这儿!
什么!
不会看错的,是优啊,优刚跑进森林里了
优,是哥哥啊!
晴夫别去,别离开我身边!
优!
晴夫!
我把目光从鬼身上挪开了,这一瞬的空隙没有被鬼放过
左顾右盼可危险得很呐,鬼杀队的小哥
一个不小心腿就被伤了么
大腿那儿血留个不停哟,疼不疼呀
鬼杀队的,料理完你,我就要好好品尝那个小孩子了
连骨髓也要给吸干净咯
= 全集中·水之呼吸 =
将飞来的触手一一斩落,不断缩短和对方的距离
给老子,鬼杀队!
来了
叁之型,流流舞!
为什么,都这样子了还能动
壹之型,水面斩
晴夫,晴夫!
晴夫,在哪,去哪儿了,晴夫,晴夫
难以言说的不祥预感驱使着我
晴夫
这儿
树丛对面的岩地上,传来了晴夫的声音
怎么在那种地方
晴夫
果然是弟弟,弟弟在这儿,我找到他了
看啊,是优
晴夫紧挨着那叫优的小男孩
但月光下,那男孩的脸……
晴夫,离开那家伙
你在说啥啊,这是我一直在找的弟弟啊,是优啊
晴夫,好好看看他的脸,那是你弟弟的脸吗
怪异地发着光的眼睛,嘴巴里的獠牙
那不是你的弟弟,是鬼
说什么蠢话,是弟弟啊,我说的不会有错
优,是哥哥我啊,你知道的吧
晴夫,那家伙是鬼
鬼也好什么都好关我鬼事
我、我只是要救下我的弟弟
晴夫,放弃吧,你弟弟已经变不回人了
在那等我,现在就上去
你要杀我弟弟吗,别过来!
父母也好兄弟也罢统统吃掉,这就是鬼的天性
在他旁边的你,也只会被吃掉
优不会做这种事,说过了吧,他是一个温柔的孩子
晴夫,赶快离开那儿!
但是我拒绝!
晴夫!
他是我的弟弟,是我唯一的家人啊!
所以拜托了,放过他吧,求你了
晴夫,我没法答应你
优是不一样的,他绝对不会吃我,也绝对不会吃人
哥哥
优,你清楚的吧,是我,是哥哥啊
晴夫……
哥哥
是啊优,看,这是优,才不是什么鬼
晴夫,赶快走开!
呐,和哥哥一起回家吧
再给哥哥捏一次饭团好吗,优
晴夫!
你心里清楚吗,你在吃你哥哥的肉啊
壹之型,水面斩
振作点,晴夫
优,优呢
放心吧,我已经救下他了
谢谢你
优……
晴夫
饥饿状态下的鬼,无论父母还是兄弟都会尽数猎食
对它们而言那不过是营养罢了
一路走来,这样的情景我已见过不胜其数
然而这个小姑娘,她身上有伤
为了自愈正大量消耗着体力
鬼化时消耗的体力想必也不会少
无疑她正现在处于重度的饥饿状态
本该一心想着食人血肉的
可那守护哥哥的动作,以及对我作出的威吓
这两人或许真的有什么特别之处
起来了么
去找狭雾山里隐居着的,名叫鱗滝左近次的老人吧
就说是富冈义勇叫你去的
(完)
[by:小二货啊啊]
[00:01.85]祢豆子、祢豆子是不同的
[00:07.98]她绝对不会吃人
[00:12.69]曾经有人说过同样的话,最后葬身鬼腹
[00:18.97]对,那还是我刚进鬼杀队时的事
[00:25.59]
[00:28.03]鬼灭之刃 无法忘却的一刀
[00:31.94]
[00:34.09]遵循鎹鸦的传令
[00:37.89]我赶来了西边的一座海港城镇
[00:45.24]吃我的触手吧!
[00:49.44]徒劳
[00:51.83]居然全都给打下来了
[00:55.92]站住
[01:06.08]我把鬼赶到了港口边上
[01:09.95]怎样,身后就是咆哮着的大海,你已无路可逃
[01:16.32]鬼杀队的混账!
[01:20.62]从他体内飞来的纵横交错的无数触手相当棘手
[01:25.55]但只要袭到他的身前……
[01:32.43]什么,朝后跳下去了?
[01:37.31]嗤,没想到还会钻进靠岸的船只里
[01:43.94]想用船逃跑么
[01:46.08]别以为能从我手上逃掉
[01:52.65]这纠缠不休的家伙
[02:00.62]船猛烈的晃动下,我一时站立不稳
[02:05.90]什么声音?
[02:09.77]是巨浪?!
[02:15.50]滔天巨浪轰然一击,船猛地被掀翻了
[02:19.82]我一下子被抛进了昏暗的海水里
[02:28.55]哪儿?鬼去哪儿了?
[02:36.80]被海浪吞没了的我
[02:39.53]渐渐失去了意识
[02:42.63]
[02:50.59]醒来时,我已被潮水冲上了不知哪儿的海边
[03:03.55]这是哪?我是怎么……
[03:08.55]船翻了,我被抛进了海……
[03:12.81]鬼!
[03:17.54]鬼怎么样了?已经葬身海底了么?
[03:21.71]还是说……
[03:26.67]一阵刺耳的警钟打断了思考
[03:28.98]松林的另一边,似乎有村落
[03:33.96]起火了么
[03:41.59]穿过松林,是一座村子
[03:45.57]里面没有起火的迹象
[03:49.14]但能见到村人们脸色惨然,仓皇逃离
[03:54.24]往后山去了么
[03:59.91]山里似乎发生了什么
[04:02.32]直觉如此告诉我
[04:11.37]循着村人的行踪进了后山
[04:15.21]到了一座寺庙,里面围满了人
[04:22.74]惨,实在太惨了,
[04:25.70]为啥和尚们会……
[04:28.34]喂看啊,这和尚的手臂连着肩膀一同没了
[04:33.80]那儿的小和尚半个脑袋都被啃掉了
[04:36.95]还有一人肠子都被咬碎了
[04:41.57]正堂前不远处,躺着和尚和两个年轻的修行僧惨不忍睹的尸体
[04:49.77]警察在现场进行调查
[04:52.47]不可能是人
[04:54.05]干出这么残忍的事的绝不可能是人
[04:58.24]确实这不是人能做出来的
[05:01.24]他们是被野兽吃掉的吧
[05:03.28]警察大哥,野兽指的是?
[05:05.71]连骨头也给咬碎了,恐怕是熊
[05:10.05]熊干的好事吧
[05:11.84]啊说的没错,如警察先生所言
[05:15.08]那样的咬伤,除了熊没别的了
[05:18.85]这儿出现了食人熊
[05:21.54]不对,那样的咬法,不是熊
[05:26.97]是鬼,鬼吃了他们
[05:31.45]这样看来,那只鬼昨晚也被冲到了这里
[05:36.27]然后袭击了和尚
[05:40.55]麻烦让一下,警察先生
[05:45.64]一个少年穿过人墙,赶到了警察边上
[05:51.66]看起来只比我小两三岁
[05:55.91]山里出现了食人熊的话,得赶紧把弟弟找到才行
[06:00.59]说起那个嘛晴夫,搜索行动已经中止了
[06:04.41]中止?不是说好今天也一起去找的吗?
[06:08.92]情况有变
[06:11.12]藏着食人熊的山是不能让人进的
[06:15.01]怎么这样,那我弟弟怎么办?
[06:19.02]你算哪门子的警察?
[06:23.57]总之搜索已经中止了
[06:27.54]雅叔,雅叔会和我一同去找的吧
[06:31.37]晴夫,这当口还是听警察先生的好
[06:36.83]留叔
[06:38.68]抱歉,我也有家人啊
[06:43.07]康叔
[06:45.09]放弃吧晴夫,已经找了两天了
[06:48.75]你弟弟没准已经被熊吃了
[06:53.06]你瞎说
[06:55.01]弟弟他一定还在哪儿活着,他绝对还活着
[06:59.11]他一定在等着我去救他
[07:01.89]晴夫
[07:03.50]够了,你们这些家伙根本指望不上
[07:07.22]让开!
[07:13.08]别进山里啊,晴夫,听到了吗
[07:15.63]大家也都听见了,这一段时间,绝对不可进入山里
[07:21.28]
[07:23.53]我目光追赶着飞奔出寺庙的少年
[07:27.10]看出他没有下山回村,反而踏上了进山的路
[07:33.38]无疑他是要一个人去寻找弟弟了
[07:39.80]没办法,既然那鬼也藏在这山里
[07:47.22]就不能对这叫晴夫的少年放任不管
[07:56.01]优,优,你在哪,优
[08:02.42]是哥哥啊,在就回答我啊,优
[08:09.34]优,优
[08:16.08]去了哪儿啊
[08:23.48]诶,那是山洞吗
[08:30.69]果然是山洞,这种地方也有吗,优
[08:36.06]别进去
[08:37.30]谁啊你是
[08:41.05]别冒冒失失地进去
[08:44.56]鬼怕日光,要避开太阳就得躲在这种地方
[08:53.64]鬼
[08:55.08]退下吧,不要动这儿
[09:02.14]洞穴并不深,很快就到了尽头
[09:07.76]没有鬼的踪迹
[09:10.28]喂,里面有一个七岁大的小男孩吗
[09:14.28]谁也没有
[09:19.66]你的脸没见过啊
[09:22.70]已经死心了吧,快给我下山去吧
[09:27.25]我在叫你回村里去
[09:30.67]怎么能回去,我还得找我弟弟
[09:34.52]不出山,你也要和那些和尚一样被熊吃了
[09:42.46]食人熊什么的有什么好怕的
[09:44.74]我弟弟就是在这山里走丢的,我得去找他
[09:47.95]找到之前绝不下山
[09:52.06]那直视着我的坚定目光
[09:55.05]表明了他强烈的决心
[09:59.06]真是个麻烦的家伙
[10:02.35]那你去哪儿
[10:05.69]找弟弟啊
[10:07.72]要和我一同去找吗
[10:10.11]所以问你要去哪儿找
[10:13.76]昨天和警察先生以及村里人搜遍了东部
[10:17.82]嗯,所以他是去了西边吧
[10:23.72]谢谢你
[10:27.43]想到你被吃了我也于心不忍
[10:31.82]但先忠告你一句
[10:33.83]刚才那样的山洞,见着了可别一个人擅自进去
[10:39.08]第一时间告诉我,明白么
[10:44.26]嗯,明白
[10:47.14]
[10:50.96]优,在哪儿,哥哥来了,优
[10:59.91]怎么了
[11:01.01]那儿,掉在树丛里的那个
[11:04.27]是优穿过的大衣
[11:10.90]没错,就是优穿过的
[11:14.21]他来过这儿,说不定还没走远
[11:19.64]优,在吗
[11:22.88]等等,晴夫,树丛由我来搜,你负责喊就行
[11:30.34]优,不要害怕,是哥哥来了
[11:36.40]优,在就回答我,优,优,在哪啊,优
[11:51.23]之后我们就这么,在森林里四处搜寻,直到夜幕降临
[11:57.32]然而最后也没能找到他弟弟
[12:05.39]希望越大,失望也就越大
[12:11.01]终于,晴夫抱着弟弟的大衣蹲了下来
[12:17.95]优,究竟去了哪儿啊,优
[12:24.72]别把我孤零零地丢下不管啊,优
[12:30.13]别在人前落泪
[12:38.63]我们的父亲母亲都很早就去世了,我们二人相依为命
[12:47.42]互相支撑着走到今天,我是为了他才咬着牙坚持过来的
[12:55.10]弟弟对你而言就是存在的证明么
[13:00.80]啊,优和母亲很像,非常温柔
[13:08.01]我出去捕鱼,他就和渔夫们的家人一起,捏着饭团等我回来
[13:15.38]而且他也和父亲一样聪明
[13:18.88]不管是修补渔网、还是剖解鱼肉,都是一教就会
[13:26.33]聪明么,晴夫,换作是你在山里遭遇了什么灾难,你会怎么做
[13:36.02]什么怎么做,完全没头绪
[13:40.28]既然是聪明的孩子,至少会在救援到来前先解决饮水问题吧
[13:48.11]水的话对面,穿过这片森林就有一条河流
[13:53.26]好,去看看吧
[14:00.73]
[14:01.30]四下都已被黑暗吞没
[14:04.16]只有河水上月华流动
[14:08.38]优,优,那儿有一处洞穴
[14:17.20]倾斜的岩坡上,有一个足够让一人进入的洞穴
[14:24.02]忘了我的忠告么
[14:27.13]差点就自个儿进去了,对不起,要调查一下里面吗
[14:32.69]嗯,我先进去
[14:43.15]进了洞穴,走了不知几步
[14:46.67]忽然
[14:50.31]鼻子嗅到了一阵血的腥臭味
[14:55.44]怎么样,优在里面吗
[14:57.99]没有人的气息在
[15:00.27]那有熊吗
[15:01.58]也不是熊
[15:02.76]“不是”?那里面的到底是什么?
[15:06.92]恐怕是鬼
[15:10.11]鬼是啥
[15:12.08]有鬼在,它巧妙地隐藏了行踪,然后毫无顾忌地四处吃人,就像吃那几个和尚一样
[15:20.98]斩杀这样的恶鬼,正是我的使命
[15:25.31]居然还有鬼
[15:28.13]听好了,在那儿待着别动
[15:33.10]一步一步深入洞里,血腥味也愈发浓烈
[15:40.20]蓦地,黑暗深处,出现了两点诡异的光
[15:46.77]是眼睛!
[15:48.25]晴夫,赶快离开那儿
[15:57.90]快走
[15:58.99]嗯
[16:06.46]哟鬼杀队,还给我带了不错的礼物啊
[16:17.22]我啊,最喜欢小孩子了,吃来吃去还是小孩子最惹人馋啊
[16:26.43]肉又软嫩可口,血又甘甜美味,吃过一次就停不下来了啊
[16:37.21]你这家伙
[16:44.60]吃了人,有力气了是吧
[16:53.64]晴夫,退开!
[16:55.30]优!优在这儿!
[17:09.08]什么!
[17:10.22]不会看错的,是优啊,优刚跑进森林里了
[17:14.57]优,是哥哥啊!
[17:18.32]晴夫别去,别离开我身边!
[17:21.51]优!
[17:22.50]晴夫!
[17:24.95]我把目光从鬼身上挪开了,这一瞬的空隙没有被鬼放过
[17:33.53]左顾右盼可危险得很呐,鬼杀队的小哥
[17:45.70]一个不小心腿就被伤了么
[17:49.50]大腿那儿血留个不停哟,疼不疼呀
[17:57.15]鬼杀队的,料理完你,我就要好好品尝那个小孩子了
[18:05.69]连骨髓也要给吸干净咯
[18:10.15]= 全集中·水之呼吸 =
[18:15.45]将飞来的触手一一斩落,不断缩短和对方的距离
[18:20.37]给老子,鬼杀队!
[18:24.88]来了
[18:26.07]叁之型,流流舞!
[18:39.29]为什么,都这样子了还能动
[18:43.54]壹之型,水面斩
[18:47.54]
[18:51.81]晴夫,晴夫!
[18:59.81]晴夫,在哪,去哪儿了,晴夫,晴夫
[19:11.41]难以言说的不祥预感驱使着我
[19:18.48]晴夫
[19:19.70]这儿
[19:21.67]树丛对面的岩地上,传来了晴夫的声音
[19:26.54]怎么在那种地方
[19:28.62]晴夫
[19:29.89]果然是弟弟,弟弟在这儿,我找到他了
[19:36.34]看啊,是优
[19:38.90]晴夫紧挨着那叫优的小男孩
[19:43.07]但月光下,那男孩的脸……
[19:49.76]晴夫,离开那家伙
[19:52.77]你在说啥啊,这是我一直在找的弟弟啊,是优啊
[19:58.89]晴夫,好好看看他的脸,那是你弟弟的脸吗
[20:05.58]怪异地发着光的眼睛,嘴巴里的獠牙
[20:10.34]那不是你的弟弟,是鬼
[20:15.29]说什么蠢话,是弟弟啊,我说的不会有错
[20:24.82]优,是哥哥我啊,你知道的吧
[20:28.88]晴夫,那家伙是鬼
[20:35.72]鬼也好什么都好关我鬼事
[20:38.07]我、我只是要救下我的弟弟
[20:41.43]晴夫,放弃吧,你弟弟已经变不回人了
[20:45.32]在那等我,现在就上去
[20:48.58]你要杀我弟弟吗,别过来!
[20:52.14]父母也好兄弟也罢统统吃掉,这就是鬼的天性
[20:56.02]在他旁边的你,也只会被吃掉
[20:58.40]优不会做这种事,说过了吧,他是一个温柔的孩子
[21:03.69]晴夫,赶快离开那儿!
[21:05.49]但是我拒绝!
[21:06.24]晴夫!
[21:07.00]他是我的弟弟,是我唯一的家人啊!
[21:13.15]所以拜托了,放过他吧,求你了
[21:18.86]晴夫,我没法答应你
[21:23.90]优是不一样的,他绝对不会吃我,也绝对不会吃人
[21:33.82]哥哥
[21:36.70]优,你清楚的吧,是我,是哥哥啊
[21:41.36]晴夫……
[21:43.42]哥哥
[21:45.69]是啊优,看,这是优,才不是什么鬼
[21:51.61]晴夫,赶快走开!
[21:53.43]呐,和哥哥一起回家吧
[21:57.00]再给哥哥捏一次饭团好吗,优
[22:00.86]晴夫!
[22:11.50]你心里清楚吗,你在吃你哥哥的肉啊
[22:21.12]壹之型,水面斩
[22:30.95]振作点,晴夫
[22:35.46]优,优呢
[22:39.47]放心吧,我已经救下他了
[22:46.82]谢谢你
[22:50.18]优……
[22:51.80]晴夫
[22:57.28]
[23:02.82]饥饿状态下的鬼,无论父母还是兄弟都会尽数猎食
[23:07.53]对它们而言那不过是营养罢了
[23:10.71]一路走来,这样的情景我已见过不胜其数
[23:14.96]然而这个小姑娘,她身上有伤
[23:17.78]为了自愈正大量消耗着体力
[23:21.34]鬼化时消耗的体力想必也不会少
[23:25.47]无疑她正现在处于重度的饥饿状态
[23:29.24]本该一心想着食人血肉的
[23:35.37]可那守护哥哥的动作,以及对我作出的威吓
[23:40.79]这两人或许真的有什么特别之处
[23:50.39]
[23:59.74]起来了么
[24:03.98]去找狭雾山里隐居着的,名叫鱗滝左近次的老人吧
[24:10.49]就说是富冈义勇叫你去的
[24:14.31](完)
[24:19.77]